ブログ紹介

私はドイツのことを今だにほとんど知りません。
ドイツ人と日本人は気が合うはずだ、という刷り込みを長年信じてきていましたが、
生真面目だから、というイメージだけで、昔の大人たちが言っていたようで、
実際はドイツのことをまだまだ全然知らないということに気づかされます。

2017年9月から、娘が、ドイツのとある大学に正規留学しています。たぶん2022年の秋には、卒業する予定です。その後のことは未定です。

娘は紆余曲折があり、ドイツの理系学部のハイレベルな内容に必死でついていっている状況です。

とにかく、今のうちにドイツのことを自分で調べたり、娘から聞いたことをかき集めて、
ほんの少しの情報ですが、記録していこうと始めたブログです。

ドイツの大学に入るということ

2015年の夏から、1年間だけ仕事でいく夫とともに、娘K子はドイツのアウグスブルクというところに行きました。日本の大学1年生を半年やっただけの状態でしたが、休学して1年間ドイツの語学学校に通いました。
ドイツ語はとても難しく英語すらそれほど話せない娘は相当苦労したようですが、
現地でA2レベルのドイツ語はマスターできました。
その間にドイツ人のチューターである女友達ができて、その女友達から、ドイツの大学に来るように説得されたようで、魅力を感じ、ドイツの大学に正規入学したわけです。

アウグスブルクは 
ミュンヘンの北西にある都市です。

ドイツの大学の入学条件

学歴上の条件

DADDのサイトを見れば、大学の入学条件はわかりますが、実際に準備をしてみると
とても大変でした。

DADDというのは、ドイツ学術交流会という団体で、こちらが日本からドイツの大学にいくための一応窓口にはなっています。そして、サイト内の箇所にも入学条件が記載してあります。

学歴条件には、芸術や音楽の分野をのぞけば、4つのパターンがあり、
①高卒ならば、センター試験で、必要科目で62%以上の成績をおさめていること。
②日本の大学で一年以上学部課程を修了していること。
③日本の短期大学を卒業していること。
④日本の大学を卒業していること。


娘は、私学の大学専願で受験したため、センター試験のスコアがなく、日本で在籍している大学で最低でも一年間の成績証明書を提出しないといけないということがわかりました。
なので、最初にお伝えしたように、娘は帰国後半年は、日本の大学の1年生をすごし、2年生の夏頃から、留学準備を始めたということになります。

ドイツ語の語学力

これは、本当に厳しい道のりでした。娘は最初にドイツにいったときに、語学学校に通っていたので、ヨーロッパ言語共通参照枠(GER)の6段階で下から2段階目のA2(エーツヴァイ)を取得していました。2015年当時、イスラム系の移民の方がたくさん語学学校にこられてる時期でした。
A2は日常会話的な内容らしく、ドイツの大学に入学するには、TestDaF
という試験をうけて、B2レベルからC1レベルを取得が必須です。

TestDaFにはの4つの試験科目があって、この全ての科目においてTestDaFレベル4以上を獲得したら、
B2レベルもしくはC1レベルと認定されて、それに応じて、入学可能性のある大学も変わってくるということなのです。(C2レベルが最高です)

A110歳から16歳の児童・青少年向け
A212歳から16歳までの青少年向け
B1青少年および大人向け、6段階の共通評価レベルで3番目
B2青少年および大人向け、6段階の共通評価レベルで4番目
C1大人向け、6段階の共通評価レベルで5番目
C2大人向け、6段階の共通評価レベルで最高のレベル
ドイツ語検定試験のレベル

ドイツ語というのは、本当に難しいんですね。単語に性別があったり動詞の変化も複雑らしいです。
大学のドイツ語のテストはほぼ満点だったK子ですが、TESTDAFではヒアリングが難で、
大阪、東京、最後にはおとなりの韓国にまでTESTDAFを受けにいきました。
なんとかとれたのがB2レベルでした。
とにかく試験回数が少ないので、スケジュールに注意してください。

ドイツは素敵

実は私自身も、2015年に1ヶ月だけ、ドイツのアウグスブルグというところにいました。
中都会のような場所で、人口は約29万人とほどほどなんですが、
中世の世界に戻ったような場所が、ところどころにあり、完全なおのぼりさんの私は、その美しさに息を飲む瞬間が何度もありました。クリスマスマーケットはおとぎの国のような世界でした。

世界初の福祉住宅であるフッゲライでは、ある一室は観光用に開放されており、中を見ると、家族が住むには狭いのかもしれないけど、こぎれいで清潔感のある住宅でした。

ミュンヘンではたくさん教会に行きましたが、その教会には自由に誰でも出入りできる、のは驚きでした。写真撮影も咎めらません。でも一度、教会内で少し話しただけで、神父に叱られた記憶があります。観光客に媚びないのがドイツらしいのでは、と思います。

そのそばでは敬虔な信者の女性がずっと祈りをささげてらしたのがとても印象的でした。その祈りの言葉の中身をもっと理解できたらよかったのに、と今となっては思います。

ドイツの大学に寄せる思い

ドイツの大学生になりたい娘を応援して

ドイツのクリスマスマーケットは、絵本に出てくるようにメルヘンチックで温かく、すばらしいものでしたが、日本から遠い国という意識でしか見ていなくて、
娘をドイツの大学に行かせることになるとは、夢にも思いませんでした

一方の肝心の娘は、1年間、ドイツの語学学校に通っていた2015年頃は、移民の方たちも語学学校にたくさん通っていた時期で、働くためにドイツ語をマスターしようとする真剣な姿に影響されたと思います 実際、あっというまに会話程度のドイツ語を身につけていたと言ってました

プラス 語学学校時代にお世話になってたチューターの女の子もドイツの現役大学生で、選ばれて大学に進学しているプライドを持っているように見えて、とてつもない尊敬を感じたんでしょうね 
日本だと高校卒業資格さえ手に入れれば、大学受験できますが、
ドイツだとギムナジウム(中等教育機関で8年制)へ通っていた子たちがいくところが大学という認識なので、日本人よりはエリート意識が高いように感じたのではないかと、、、
ドイツの大学を卒業すれば、自分のキャリアが輝くこと間違いなし!!と希望に燃えたんだと思います 本人に言うとそんな簡単じゃない!と怒られそうですが

エリートコースにのれるかも?


大学進学率を、誰でも均等にチャンスがある日本とエリート選抜式のドイツを比べたら、日本の方が圧倒的に高いんじゃないかと当て込んで調べました

文科省のデータによると、2007年くらいから日本の大学進学率は大きくは上がっていなくて2020年は60%足らずで、横ばい続きで予想外でした

ドイツでは、大学(Universität)へ行く人が2009年時点で40%程度でした(OECD調べ)
正確な最新のドイツのデータがを探し中ですが、
近頃は大学進学率があがっているとの情報もありました
もうひとつ、専門学校(Fachhochschule)というのもあり、こちらはより専門的な職業的なことを勉強する大学ですが、こちらも含めると、もしかしてドイツの方が日本より大学進学率は高いのではないか?と推測しちゃいます
ということは、2017年当初は、ドイツの大学進学はまさしく少数派のエリートのためのコースだと信じてたけど、
最近はもっとエリートコースという括りだけでは収まらない多様なものになってきているのかもしれないんです!

ドイツの大学は、厳しいことで有名で、各科目の終了テストをうけるチャンスは3回までしかなく、落としてしまうと即アウト。だから、自信がないときは、タイミングをずらして試験をうけることも可能のようです。
卒業までにストレートにいくと3年なんですが、在籍できる年数の上限が設定されていて最長でも5年で卒業しないといけません。そのプレッシャーに耐えられるか?ですよね

今となっては、甘い考えで背中を押したな、と思うんですけど、
2017年時点では、「ドイツでもう一度チャンスをつかみたい!」というリベンジに燃える娘を応援して行かせることが一番いいことのように思えました

ドイツに感謝

ともあれ、入ったものの、単位をとるのが難しくて、1年目は学部変更、あらたに2年目からは新しい学部で頑張っています

でも、やはり難解なドイツ語で高度な授業を理解するのは至難の技で、スムーズに3年で卒業とはいかず、ただいま延長中です 授業がわからないなと思ったら教授に質問にいったりして、でもとにかく諦めずに頑張っています

それにしても、外国人をこうやって多数受け入れるドイツという国にはいくら感謝しても感謝しきれないものがあります

それに、最初にドイツへいった時にチューターになってくれた女性が、ずっと親しくしてくれています

娘の長期休みごとに、女性の家族の家に同居させてくれていて、クリスマスやイースターをひとり寂しく過ごすことはないようにしてくれています
いつの間にか、そちらが娘の第2の実家のようになっていて、ドイツから日本に帰国するときに、いつも女性のお父さんが車で空港に送ってくれるますが、涙がぽろっと出たりして
「またすぐ会えるから」と言われるそうです

いつかドイツと日本の架け橋になってくれるものと願っています

いまのところバイエルン州では、外国人でも大学の授業料が無料です
本当にこれはすごいことだと思います(一部他の地域では、外国人は有料になりました)
ドイツという国は、若い人にとてもお金を使っていると思います 日本でこんなことができるのでしょうか

2020年と2021年は、コロナが世界中に蔓延して、娘も帰国できなくなりました
日本で好きなものをたくさん食べてリフレッシュするということがしばらくできなくて、
発散するところもなかなかないようだし
1人暮らしでドイツの料理がなかなかあわなかったりするのですが、あと少し頑張って卒業にこぎつけて欲しいです